豊田本憲氏(具本憲)や宋修日氏も関わる在日本朝鮮人空手道協会を調査してみた!

在日本朝鮮人空手道協会は、多くの空手を好む在日韓国人や朝鮮人が中心となって2001年に設立した協会です。
空手を通じて、アジア大会を中心に国際大会の参加、さらに友好親善やお互いの理解を深めるためにも活動しています。
今回は、在日本朝鮮人空手道協会を中心とした活動内容や代表者の紹介もしていきます。
在日本朝鮮人空手道協会に対して理解を深めたい人は、この記事をチェックしてみてください。

空手は日本由来のもの?どんなスポーツ?

在日本朝鮮人空手道協会は、日本で同胞が空手をする際にスムーズな運営が行えるように立ち上げた協会です。
しかし、空手のような武術は何をするものなのか、どの国が発祥かと思った人もいるでしょう。
そこで、空手の由来について調べてみました。

空手の歴史

そもそも空手の原型は何か知っていますか?
空手そのものは、琉球王国に伝わっている起源を中心に始まったものです。
その原型は、琉球古来の拳法と中国伝来の武術が合わさっているとして伝えられ、日本の武術の影響を受けているのが特徴です。
当時の原文に記載はなかったものの、現在の空手は明治時代の空手家によって広まったと考えられています。
さらに空手には、3つの流派が存在しているようです。
それが上地流、剛柔流、小林(しょうりん)流のようです。
上地流は、中国の憲法家であった周子和から教わった半硬軟憲法により、型を重視したスタイルになります。
この上地流は、サンチンを重視した形であり、肉体を極限まで鍛えて一撃の技を出すことで、実践を想定することが可能です。
剛柔流は、空手の大家となる東恩納寛量から学んだ部分と、中国拳法の独自の研究を加えて生み出したものです。
剛柔流は守りの武術とも呼ばれているため、攻撃よりも受けや払いなどの守りに対して鍛錬しています。
相手の攻撃に対して同じように対抗するのではなく、さばいていくことを重視しているのが特徴です。
さらに、小林(しょうりん)流は、空手の普及をしていた糸洲安恒の弟子、知花朝信が築き上げました。
自然な構えや呼吸法を用いるようにしていて、力の入れ方や抜き方にも特徴があります。
巻き藁を相手に蹴りや突きを集中的に行うのが小林流です。
このような様々な流派を基に空手は築き上げられていて、全日本空手道連盟は1959年に日本での設立に至りました。
その後、統一組織がいくつも設立されたことで、全国的に空手の大会が開催されるようになっています。
また、直接打撃をすることを採用した極真会館の存在により、さらに空手の多様化や国際化が進んでいきました。
これらの空手の歴史から、世界的に認められたスポーツとして2020年の東京五輪では追加種目として実施されました。

空手のルール

空手のルールについてですが、大会によって異なります。
2020年の東京オリンピックでは、日本空手道連盟が尽力を注いだ活動を行ってきました。
そこで、日本空手道連盟のルールについて簡単に説明していきます。
最も重要なのは、スポーツであることなので負傷させた技については故意の有無に関わらず、罰則の対象としています。
過度な接触技や喉、関節、足の甲への攻撃、顔面攻撃や致命傷となる危険な技、投げ技なども禁止としています。
他にも技ではないものの、自己防衛しないで逃げる、相手に話しかけるなどスポーツマンシップに関する行為を中心に禁じているのです。
在日本朝鮮人空手道協会でも、大会を開催する際には部によって適したルールを用いています。
そのため、協会主催の大会でもルールに則った試合が可能です。

在日本朝鮮人空手道協会とは

在日本朝鮮人空手道協会とは、空手に魅せられた多くの在日韓国人や朝鮮人が中心となって結成された協会です。
そもそも、空手は琉球王国で誕生した歴史があり、そこから中国や武術の影響を受けて独自のスタイルに発展していきました。
沖縄で発祥して以降、世界中で空手に夢中になる人が増えていきました。
主に在日韓国人や朝鮮人を中心として協会となったのが、在日本朝鮮人空手道協会です。
ここでは、在日本朝鮮人空手道協会の理事や役員、そして空手道協会の沿革についても紹介していきます。

【役員】(2018.6/17改定)
会長:康和正(全国朝高連絡協議部・部長、朝鮮空手道連盟・副委員長、在日本朝鮮人大阪府空手道協会・会長)
副会長:豊田本憲(具本憲)(朝鮮大学校空手道部OB/OG会・会長)、安泰範(選手強化部・部長)、諸葛賢、金秀明
理事長:宋修日
(朝鮮空手道連盟・副書記長兼審判委員会委員長、アジア空手道連盟・国際審判員、国際コーチ)
副理事長:鄭俊宣(全国朝高連絡協議部・副部長)

【選手強化部】
選手強化部長:安泰範
委員:金永洙、許相浩、金一昌、鄭一輝、全寿英

【理事】
朝鮮大学校:宋修日、李成基、姜知衣
東京朝高:朴龍浩
東大阪朝中:金守好
茨城朝高:金正浩
東北初中:崔龍翔
京都朝高:金泰浩
大阪朝高:金一昌
愛知朝高:鄭一輝
神戸朝高:金明花
広島朝高:崔仁哲

【地域選出理事】
東京:朴日宇、呉幸徳、許相浩、李竜杰
神奈川:魏慶浩、呉亨世
埼玉:河皓容、康英鶴、金永洙
群馬:崔成柱
栃木:李光成
愛知:鄭俊宣
兵庫:許敬、具大成、裵賢棋
京都:姜世哲
岡山:朴敏秀
福岡:全寿英

【空手道協会沿革】

・2001年6月:在日本朝鮮人空手道協会結成
・2001年11月:アジア空手道選手権大会の総会で朝鮮空手道連盟がアジア空手道連盟に正式加盟
・2002年9月:東京で開催されたアジア ジュニア・カデット空手道選手権大会に共和国の代表、在日同胞が出場
・2002年9月:第14回アジア総合競技大会に共和国の代表、在日同胞が出場
・2005年11月:東アジア総合競技大会(マカオ開催)に在日同胞出場
・2006年5月:大阪朝鮮文化会館にて、東第1回在日本朝鮮人空手道選手権大会を開催
・2007年4月:第2回在日本朝鮮人空手道選手権大会(兵庫県立体育館)
・2008年5月:第3回在日本朝鮮人空手道選手権大会(兵庫県立体育館)
・2009年9月:アジア空手道選手権大会(中国開催)に在日同胞が出場
・2012年5月:第2回東アジア空手道選手権大会(日本・東京開催)に在日同胞が出場、銅メダル5個獲得
・2014年4月:監督1名、選手2名で、第1次平壌強化合宿を行う
・2014年4月:第6回在日本朝鮮人空手道選手権大会(愛知朝高開催)
・2012年5月:第2回東アジア空手道選手権大会(日本・東京開催)に在日同胞が出場(9名)銅メダル5個獲得
・2013年:第3回東アジア空手道選手権大会(中国・武漢開催)に在日同胞が出場
・2014年8月:第14回アジアジュニア・カデット・21選手権大会(クアラルンプール開催)ベスト8位入り
・2016年8月:国際オリンピック委員会(IOC)の総会にて、2020年東京オリンピックで空手道が正式種目に追加されることが発表
・2017年、第7回東アジア空手道選手権大会(マカオ開催)に在日同胞出場し、鄭世梨が銀、高智蓮が銅メダルを獲得

このように、協会は連盟加盟後大会に出場していった結果、現在は多くの試合で成績を残せるようになりました。

在日選手は簡単にオリンピックに出られない?

在日選手は協会主催の大会などに参加することはできますが、オリンピックとなると話は変わってきます。
特に在日選手へのハードルは高く、2017年にWKFへ加入したことで世界の舞台に上がることができました。
WKFとは、世界空手連盟のことで空手競技の国際競技団体です。
日本では、国内競技団体として承認していて、これまでに数多くの大会を主催しています。
そのWKFへの加入により、在日朝鮮人選手がオリンピックに出られる可能性が出てきたのです。
本来、オリンピック選手は帰化しなければ出場できません。
しかし、競技が追加種目として選ばれるだけでなく、WKFが加盟を承認すれば出場可能な選手がでてきます。
これまで、在日本朝鮮人空手道協会では理事長である宋修日氏が年に数回、体育省やオリンピック委員会の関係者と頻繁に交渉してきました。
宋修日氏は空手北朝鮮代表のコーチとしての一面を持ち、空手の普及にも尽力してきた人物であり、自身も空手に打ち込んでいました。
朝鮮半島では、格闘技であるテコンドーが強いようなイメージを持たれていますが、在日コリアンでは空手が盛んになっています。
男子、女子共に有望な選手が多くいるため、在日朝鮮人としてオリンピックの舞台に立てるように頑張っていました。
在日朝鮮人として出場可能となれば、全ての競技を通じて初めてとなります。
しかし、新型コロナの影響によって不参加が決まってしまったため、初出場の夢を叶えることができませんでした。

2019年時点では、朝鮮大学校空手道部OB/OG会の会長であり、在日本朝鮮人空手道協会の副会長を務めている豊田本憲氏(具本憲)と同じ役員の宋修日氏達は、空手の普及に勤めながら正式種目となって以降、強化していると語っていました。
豊田本憲氏(具本憲)も、朝鮮大学校空手道部に所属していたため、宋修日氏と同じように学生時代に空手に打ち込んでいたことがわかります。
さらに、豊田本憲氏(具本憲)も、青春を空手に注いで努力をし続けただけでなく、空手の普及に携わった人物です。
そのため、正式種目に認定されたことは嬉しかったはずです。
東京オリンピックでの空手は、男女合計8種目に分類され、体重別で軽量級、中量級、重量級に分けられ、組手と演武を競うようになります。
さらに選考用のランキングで上位者のみの出場となるので、1種目10人または、1ヶ国1名しか出ることができません。
ただでさえ、在日朝鮮人としての出場が危ぶまれている中、ランキング上位者のみという厳しい条件が付いてしまいましたが、結果的には新型コロナの影響で不参加となってしまいました。
結果は結果として受け止めなければなりませんが、この進歩はこれまで在日としながらも空手に打ち込んだ豊田本憲氏(具本憲)や、宋修日氏の存在が大きいと言えるでしょう。

注目したい在日本朝鮮人空手道協会の大会や活動について

空手の普及に携わっていただけでなく、大会なども主催しているのが在日本朝鮮人空手道協会です。
ここでは、在日本朝鮮人空手道協会の大会や活動について説明していきます。

空手教室

在日本朝鮮人空手道協会では、小学校から空手を取り入れた学習を行っています。
低学年を対象にした空手教室では、「礼法」、「立ち方」、「突き」など基本から学ぶことができます。
空手などの武道には、基本とするものをとても重視しています。
そのため、幼少期から空手に触れあいながら学べる環境を作っているのです。

コリアン空手フェスティバル

在日本朝鮮人空手道協会が後援となって開催されているのが、コリアン空手フェスティバルです。
在日朝鮮学生中央体育大会と同時に開催されるもので、小学生の部、カデットの部、ジュニアの部、シニアの部、マスターズの部などに分かれて試合を行います。

強化合宿

在日本朝鮮人空手道協会では、祖国強化合宿も開催しています。
合同稽古や強化試合を中心としたもので、代表選手になると国際舞台での試合ができます。
このような強化合宿の他にも、全国の朝高空手部や朝大空手道部、中学から一般までの空手選手が参加できるものもあります。
強化合宿の募集内容によって対象となるものが変わってきます。

特別セミナー

特別セミナーでは、師範などを招いて合同稽古会をセミナー形式で行っています。
師範などから直接説明を聞く機会があると、モチベーションの維持にも役立ち、目指すものをより明確にできるでしょう。

朝鮮大学校空手部OB・OG達の集い

豊田本憲氏(具本憲)も卒業した、朝鮮大学校空手部OB・OG達の集いなども在日本朝鮮人空手道協会が主催しています。
記念試合や記念演武の他に祝賀会も含まれているため、より空手に打ち込んでいた日々を思い出せるイベントでしょう。

まとめ

在日本朝鮮人空手道協会は、在日韓国人や朝鮮人が中心となって設立した協会です。
豊田本憲氏(具本憲)を含めた数人が役員となり、空手を積極的に行えるような環境を整えてきたことがわかります。
2001年6月に在日本朝鮮人空手道協会結成以降、これまでにオリンピックへの道などを築き上げてきました。
結果的に国として不参加を決めてしまったため、初出場が叶いませんでしたが、今後は状況によって参加する可能性も高くなります。
在日という状況でも空手に対して真剣に打ち込める協会と言えるでしょう。

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