「自販機オペレーター業」の仕事内容を深堀り!業界の動向や企業ごとの特徴も解説

日本国内には数多くの自販機が設置されています。
この自販機の商品を補充・入れ替えなどを担うのが、自販機オペレーター業です。
「自販機なら作業は商品の補充や入れ替えだけだろう」と思われる人もいるかもしれませんが、実際には様々な仕事をしています。
そこで今回は、自販機オペレーター業がどのような仕事なのか深堀りしつつ、業界の動向や企業の特徴についてご紹介します。
自販機オペレーター業の仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

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自販機オペレーター業とはどんな仕事?

まずは自販機オペレーター業がどのような仕事なのか、1日の流れと共に解説していきます。

【自販機オペレーター業の仕事内容】

自販機オペレーター業は主に自販機の設置場所を巡り、その場所に合った商品の選定や管理、商品の補充などを行う仕事です。
商品管理以外にも、POPの貼り付けや自販機自体や周辺の清掃、売上金の回収なども行います。
また、自販機が設置できそうな場所の調査や営業をかけることも仕事の一つです。
万が一自販機が故障してしまった場合の修理対応に応じる企業もあります。

【自販機オペレーター業の1日の流れ】

細かい作業内容は企業によっても異なりますが、ここでは大まかに自販機オペレーター業の1日の流れをご紹介しましょう。

出社したら、まずは今日の巡回計画を確認します。
車に商品を積み込む、または事前に積み込んでおいた商品をチェックし、さらに車の安全点検も行ってから会社を出ます。
自販機が設置されている場所に到着したらお客様に挨拶し、それから業務に入ります。
例えば自販機内を見て商品を補充したり、古い商品から新しい商品へ入れ替えたり、周辺の清掃や空き缶・空きペットボトルの回収を行ったりします。
売上金の回収やPOPの取り付け、商品の入れ替えが発生した場合のダミー交換なども行っていきます。
また、ロケーション先の顧客に対して新商品を提案することも少なくありません。
提案でなくてもコミュニケーションを取ることで信頼関係が構築されていき、将来的な営業にもつながるでしょう。
巡回計画に沿って業務を行い、すべての業務が完了したら帰社します。
帰社後は商品の棚卸しや翌日の商品を車に積み込んでおくことが多いです。
さらに事務作業を行い、売上のデータ集計や売上金の処理、翌日の巡回計画などを作成しておきます。
上司に業務報告を行ったら、1日の業務はすべて完了となります。

【自販機オペレーター業の魅力】

自販機オペレーター業の仕事は自販機の運営管理がメインとなりますが、その自販機がある場所の環境や売上データなどに基づき、商品の選定や切り替えなどを行うのは自分自身です。
自身が手がけた工夫によっては売上が伸び、顧客から直接喜びの声をいただくこともあるでしょう。
また、自販機は飲料や食品、たばこ、食券・乗車券なども含めて全国に約396万台(2022年末時点) も設置されているほど、暮らしに密着しているものです。
万が一災害が発生した場合、ライフラインが寸断されてしまっても飲料を入手できるため、社会インフラに欠かせないものでもあります。
近年は災害時に自販機内の商品を無償で提供できる機能を持つ自販機も登場しており、地域住民の暮らしにも密接にかかわる自販機の運営管理を行うことで、大きなやりがいを感じられるでしょう。

自販機業界の動向と将来性

自販機の普及台数は先ほどもご紹介したように、全国で約396万台(2022年末時点)が設置されている状況ですが、前年の普及台数が約400万台だったため、若干減少していることがわかります。
減少傾向にあるのは2014年以降から続いている状態です。
これはすでに多くの自販機が設置されており、屋内外を問わず飽和状態にあることが原因と考えられています。
しかし、だからといって自販機の需要がないわけではありません。
例えばコロナ禍の際に人との接触がない自販機を利用するケースは多く見られました。
また、自販機というとこれまでは飲料のイメージが定着していましたが、近年は食品自販機の有用性が見直されたことで、店舗内に自販機を設置して人手不足の対策を講じたり、24時間営業の無人販売所が増えたりしています。
さらに飲料自販機では近年環境対策を取り入れており、省エネ機能やフロン対策、ピークカット機能などが搭載されるようになりました。
こうした技術を取り入れ、顧客や消費者のニーズ・満足度が高まることで将来性も期待できると言えるでしょう。

自販機オペレーター業を担う企業の特徴

自販機オペレーター業を担う企業は、主に飲料メーカー系と専業オペレーターの2種類に分けられます。
それぞれに分類される企業の特徴は以下のとおりです。

【飲料メーカー系】

・サントリービバレッジソリューション株式会社
サントリービバレッジソリューション株式会社は、メーカー直販の自販機事業を展開しているサントリーのグループ会社です。
取り扱う商品はすべてサントリーの商品であり、ブランド力の高さが特徴的となります。
サントリーでは一般的な自販機に加え、停電時でも利用できる災害救援対策やユニバーサルデザインの自販機なども提供しています。

・ダイドードリンコ株式会社
ダイドードリンコ株式会社は1975年に創業した企業で、自販機のオペレーター業はグループ販売会社のダイドービバレッジサービスと特約オペレーターの共栄会が担っています。
ダイドードリンコの自販機にはルーレット機能やおしゃべり機能(方言・多言語対応のメッセージ機能)など、消費者が楽しめる機能を備えているのが特徴です。

【専業オペレーター】

・ナショナル・ベンディング株式会社
ナショナル・ベンディング株式会社は、1963年に創業した企業で自販機オペレーター業を中心に手がけています。
メーカー系列はそのメーカーの商品だけしか取り扱えませんが、ナショナル・ベンディングは専業オペレーターなので幅広い商品を取り扱っているのが特徴です。
また、自販機の空き容器回収なども自社ですべて行っており、空き容器の再資源化も実施しています。

・株式会社ユカ
株式会社ユカは1973年創業の会社で、主に東京・神奈川・千葉・埼玉の関東エリアや、大阪・兵庫の関西エリアを中心に自販機オペレーター業を担っています。
自販機を設置する際には便利なシミュレーターを活用でき、3DCGによる設置イメージの確認などが行えるようにしています。
また、売上・在庫管理をスマホで確認できる最新システムを導入しているのも特徴です。

・株式会社アペックス
東京と愛知県に本社を構えている、1963年創業の会社です。
カップドリンクの自販機をメインに取り扱っているのが特徴で、販売管理からメンテナンス、空き容器のリサイクルなども対応しています。
また、高齢化に伴いとろみ付きの飲み物を自販機でも展開しています。

まとめ

今回は、自販機オペレーター業の仕事内容や業界の動向・将来性、オペレーター業を担う企業の特徴についてご紹介してきました。
自販機オペレーターの仕事は商品の補充・入れ替えだけでなく、自販機に関するあらゆることに対応していく仕事です。
商品の積み込みなど大変に感じる作業もありますが、直接顧客や消費者から嬉しい声を直接もらうこともあります。
社会インフラが正常に稼働するかどうかを担う重要な仕事でもあるため、大きなやりがいを感じられるはずです。
もし自販機オペレーター業の仕事に興味がある方は、上記でご紹介した企業で自販機オペレーターの仕事に挑戦してみてください。

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