ジャニーズ事務所の危機管理対応への郷原弁護士の批判を掘り下げてみた

2023年の芸能界で最も話題となったニュースのひとつにジャニー喜多川による性加害問題があげられます。

連日、さまざまなメディアを賑わせましたが、性加害問題そのものについてはもちろんのこと、記者会見についての報道も多く取り上げられました。

 

中でも批判的な意見を発信していたのが、郷原総合コンプライアンス法律事務所代表の郷原信郎弁護士です。

郷原弁護士は、ジャニーズ記者会見のどのようなことに対して批判しているのでしょうか?

ジャニーズ事務所の記者会見と、それに対して郷原弁護士が何を批判しているのかについてまとめていますので、最後までご一読ください。

 

郷原弁護士は何を批判している?

郷原弁護士の批判内容

郷原弁護士は、島根県出身で東京大学理学部を卒業し、司法試験に合格後、検事に任官しています。検事としてのキャリアを重ね、検事退官後に郷原総合法律事務所を設立しています。

 

現在は企業法務部門や不祥事・危機対応部門に精通したコンプライアンスの専門家として活動し、YouTubeチャンネルも開設。政治・経済などそのときどきのニュースを独自の視点で分析、解説しています。

 

そんな郷原弁護士が批判しているのがジャニーズ事務所の記者会見です。

 

では、まずは記者会見の内容を確認してみましょう。

 

記者会見は、ジャニー喜多川氏の性加害問題に対して、ジャニーズ事務所がどのような対応をとっていくかの発表の場でした。故人であるジャニー喜多川氏の問題であるだけに、ジャニーズ事務所がどのような対応をとるかが注目されました。

結果として、社名変更の問題や特定の記者を指名しない「NGリスト」の存在などが大きく報道され、批判されました。

NGリストが騒がれた理由

「特定の記者を指名しなかっただけで、なぜあれほど大きな問題になったのだろう?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

この問題が大きな批判を呼んだのには、いくつかの複合的な背景があります。ここでは、その主な理由を3つの側面から見ていきましょう。

理由1:記者会見の「公の場」としての役割

記者会見は事務所が社会に対して説明責任を果たすための「公の場」であったという点が重要です。

記者は各メディアの代表であると同時に、視聴者や読者の「知りたい」という思いを代弁する役割を担っています。

そのような場で、特定の記者を指名しないように見えた対応が、、説明責任を十分に果たそうとしていないのではないか、という疑念を招く一因となりました。

理由2:問題の根幹にある「人権」への配慮

今回の記者会見は「深刻な人権問題」に関するものでした。

多くの被害者が長年の苦しみを乗り越え、勇気を持って声を上げたことで、社会全体が問題の解決に向けて動き出しています。

被害者の救済が最優先されるべき状況下で、質問の機会を制限したと受け取られかねないNGリストの存在は、問題に真摯に向き合う姿勢に疑問を抱かせる一因となりました。

理由3:旧来の「メディアとの関係性」への不信感

長年メディアとの間で囁かれてきた、不透明な関係性を象徴する出来事と捉えられた側面もあります。

以前から、事務所の意向が報道内容に影響を与えているのではないか、という指摘は存在していました。

そうした中でNGリストが明らかになったことで、不信感が表面化し、報道関係者からも含め、大きな批判の声が上がったのではないでしょうか。

コンプライアンスの専門家である郷原弁護士が批判したのは、このような記者会見になってしまった危機管理対応に対してです。

そして、その矛先は、危機管理対応を担った会見関係者へと向けられています。

記者会見の関係者とは?

記者会見の様子

会見に関係者として同席していたのは、顧問弁護士を務める木目田裕氏です。会見が批判を受けたのは、木目田弁護士の危機管理対応が失敗したからだという趣旨の記事を執筆しています。

 

 

検事として法務官僚として有能で、その経験・能力を、企業法務、株主総会対応、危機管理業務等の弁護士業務で発揮してきた木目田弁護士だが、本件の対応では、前社長のジュリー藤島氏の意向と利益に沿うことを優先したこと、それに対する批判をかわそうとする対応に終始したことが、結果的に危機対応の失敗を招いたように思える。

 

また、郷原弁護士自身のブログでは以下のように批判しています。

危機管理業務を担う「顧問弁護士」の立場であれば、通常は、表に出ずに企業側に助言・指導を行うが、木目田弁護士は、積極的に表に出て対応した。

木目田弁護士の会見への同席は、まさに、ジャニーズ事務所問題に「不祥事対応のエキスパート弁護士」として関わっていることをアピールするものと言える。

「NG記者リスト問題」が表面化し、厳しい社会的批判を浴びたが、そのリストを作成・配布したコンサルティング会社FTIの日本法人は、木目田弁護士がジャニーズ事務所に紹介したことが、同事務所のリリースで公表されている。

中央公論の記事の発売時期・内容からすると、ジャニーズ事務所からの受託は、「危機管理のエキスパート」としての仕事をアピールしようとする意図があったように思える。

これらの記述から、郷原弁護士は木目田弁護士の対応が問題だと考えていることがわかります。

 

木目田弁護士とは?

木目田弁護士の紹介

木目田弁護士は、西村あさひ法律事務所に所属し、危機管理グループを率いて主要企業の不正調査を手掛けるほか、第三者委員会や調査委員会の委員などを務めています。

 

日本経済新聞社による「活躍した弁護士ランキング」で2023年危機管理・不正対応分野 第1位2021年危機管理分野 第1位2020年危機管理分野 第1位などを受賞しており、「危機管理業務の創始者」ともいわれているそうです。

 

危機管理対応のプロフェッショナルだからこそ、ジャニーズ事務所の記者会見というリスクの高い業務に積極的に取り組んだことが伺えます。

 

なお、木目田弁護士は、ジャニーズ記者会見ののち西村あさひ法律事務所の公式サイトで「誹謗中傷等に対する対策について」というニューズレターを発表しています。

そこには、個人攻撃のエスカレートや論点ずらし、誹謗中傷者への法的対応などについて記されていますが、冒頭で以下の木目田弁護士自身の言葉が掲載されています。

 

“私自身も特定の人物から執拗な誹謗中傷や個人攻撃を受けています

 

これはもしかすると郷原弁護士の批判を受けて、執拗な誹謗中傷や個人攻撃を行う一部の心無い人がいることを示しているのかもしれません。

 

また、以下のようにも述べています。

社会では、そうした誹謗中傷や個人攻撃に晒された方が自死に追い込まれるなど、大変不幸な結果が現に起きています。それにもかかわらず、誹謗中傷は止みません。

なくなることのない誹謗中傷を、社会から根絶しなければならないという、木目田弁護士の思いが伺われます。

 

まとめ

ジャニーズ事務所の郷原弁護士の批判まとめ

今回の記事では、ジャニーズ事務所の記者会見について紹介してきました。

 

日本の芸能界だけではなく、日本社会に衝撃を与えたジャニー喜多川氏の性加害問題は、ジャニーズ事務所の不祥事として、多くの批判を受けました。

記者会見では顧問弁護士である木目田弁護士が難しい対応を迫られ、批判を受けたことも事実です。その代表的な人物が郷原弁護士といえるでしょう。

 

しかし、度重なる批判は一歩間違えば誹謗中傷と捉えかねられません。木目田弁護士が発表したニューズレターは、このような誹謗中傷を諭すためとも考えられます。

 

明確に言えるのは、木目田弁護士も郷原弁護士も企業の危機対応について高度な知識と豊富な経験を持ち合わせているということです。

今後も木目田弁護士も郷原弁護士も危機管理業務のプロフェッショナルとして、活躍していくでしょう。

 

おすすめの記事