新型コロナウイルスの影響により急激なマスクの需要が高まった結果、
日本中のドラッグストアなどの店舗からマスクが消えました。
マスクの需要増加は、マスクの転売や急激な価格の値上がりを引き起こし、
世間は混乱状態となったことは記憶に新しいと思います。
マスクの着用が必須となった状態にも関わらず、
マスクが市場に出回らないことから医療関連や福祉の現場では、
非常事態とも呼べる状態です。
このようなマスク不足が混乱を招いている状態の中、
電気製品や日用雑貨、企画開発や製造など幅広くブランド商品を手掛けている
株式会社東亜産業は、複数の自治体にマスクを寄付したことで注目を集めています。
東亜産業は一体どのような企業なのでしょうか?
劉凱鵬氏が社長を務める東亜産業についてご紹介します。
Contents
メディアが注目!?劉凱鵬氏が注目を集めた理由
様々な自治体にマスクを寄付したことで注目されている株式会社東亜産業は、
劉凱鵬氏が代表を務める会社です。
簡単に東亜産業の会社概要をご紹介します。
会社概要
会社名:株式会社東亜産業
本社:東京都千代田区外神田
代表取締役:渡邊龍志(劉凱鵬)
設立:平成8年9月
資本金:1,000万円
従業員:114名(令和1年8月時点)
売上高:約60億円(令和1年8月期)
東亜産業は本社を東京都に構えている企業です。
日用品や美容関連グッズ、家電や医療機器などの他に電子タバコや化粧品、
珪藻土を使用した商品など様々なジャンルの商品を取り扱っています。
これらの商品の企画や開発、製造に至るまでを手掛けているため、
福岡の他に2ヶ所の自社工場、そして物流センターを構えています。
また、OEM・ODM商品としてリキッド型電子タバコやドライヤー、
リラクゼーション機器や加湿器、バスボールやオーブントースターなどがあります。
東亜産業は様々な分野の商品開発や取り扱いが可能であり、得意分野が多いのが特徴です。
自社工場以外にも海外に協力会社や工場を持っていて、
中国だけでも7社あり、生産能力が高い企業ということも分かりました。
今回のマスク不足が深刻な状態の中、東亜産業がマスクを自治体に寄付できたのは、
自社工場や協力会社の生産ラインを持っていたことが大きく関係しています。
東亜産業では2020年4月に北九州市、広島市、名古屋市に
不織布マスクを10万枚寄付したことが大きな話題となりました。
さらに5月には東京都にマスク100万枚、
アルコール入りハンドジェル5万本寄付を表明しています。
その他の自治体も合わせて、160万枚以上のマスクを寄付したとのことです。
手に入らないマスクを大量に寄付できたのは、
東亜産業が数年前まで自社工場でマスク製造に携わっていたことがあり、
製造機械やラインを整えることができたことが大きいでしょう。
各自治体のマスク在庫も厳しい状態の中、
様々なジャンルの商品製造や開発に関わっていたことが大きな手助けとなり、
寄付が話題となったということです。
ハンドジェルを深堀りしてみました!
衛生用品の製造・販売を行っている東亜産業では、ハンドジェルを取り扱っています。
医薬品ではなく化粧品として販売しているハンドジェルですが、
除菌効果があるとされているエタノールが含まれています。
東亜産業のハンドジェルは大手のネット通販でも取り扱いがあり、
ボトルタイプで販売されています。
アルコール洗浄タイプの化粧品であるため、
消毒や除菌といった言葉を使用することはできませんが、
成分にはエタノールがしっかりと含まれています。
今回の新型コロナウイルスが不活化となるアルコール濃度は、
厚生労働省の基準により60%以上が望ましいと言われています。
しかし北里大学が発表した不活化効果のプレリリースでは、
市場に流通している医薬部外品や雑貨などの商品で、
エタノールや界面活性剤成分が含有されている製品を対象に試験したところ、
エタノール50%以上の濃度であれば接触時間1分間で十分なウイルスの不活化が
可能だと発表しました。
つまり、除菌や殺菌など医薬品・医薬部外品にしか使用されていない
ワードが書かれていなくても、エタノールや界面活性剤成分が含まれている商品には
不活化が期待できるということです。
北里大学の研究した商品の中にハンドジェルは含まれていないものの、
同じ成分が含まれていれば効果を得られるかもしれないとも発表されています。
東亜産業のハンドジェルにも56~59%のエタノールが含まれているため、
除菌というワードは使用されていないものの同等の効果が期待できるだけでなく、
アルコール以外の成分によって手荒れを招きにくいというメリットもあります。
手洗いができない場所で、
少しでも手を清潔にしたい時に使用する程度であれば十分な効果があるでしょう。
ウイルスシャットアウトという製品、ご存知ですか?
東亜産業では、
首から下げるタイプの空間除菌グッズのウイルスシャットアウトという製品も販売していました。
空間除菌グッズは他の会社からも販売されていますが、
東亜産業の製品は価格面でのコスパが良いといわれています。
ウイルスシャットアウトは、首にかけるだけで除菌ブロックできるとされていて、
亜塩素酸ナトリウムが配合されている製品です。
亜塩素酸ナトリウムは二酸化塩素を生成する元の成分であり、
空気に触れて揮発すると空間が除菌できる仕組みです。
開封後の使用期限は約30日間で、
施設など基本的に風のない室内で使用すると効果が期待できるものとなります。
除菌、殺菌の成分であることは間違いないのですが、
もちろん全てのウイルスに対して効果を示すものではなく、
屋外での効果についても期待できる商品ではありません。
そのため、今回の新型コロナウイルスに対しての効果は全く分かっていません。
しかし、未知のウイルスに対しての恐怖や予防のために、
東亜産業はコロナへの効果を謳っていないにも関わらず、除菌というワードが付いている製品に対して買い占めや効果があると勘違いされるケースが多く、
さらに本来販売されない地域の店舗で販売されるなど、多くの混乱を招いたケースが多発しました。
その結果、ウイルスシャットアウトも海外向けに販売していた商品が
日本国内で販売されるケースが判明し、該当品の販売経路が判明するまで
ウイルスシャットアウトの生産や販売をストップすると発表されています。
その後に行った調査の結果、コピー商品も多数あったことから、
東亜産業では令和2年3月までに製造や販売の終了を決定しました。
次亜塩素酸水は有効?効果なし?
見えないウイルスの恐怖により、
除菌というワードに過剰に反応してしまう状態が続いていますが、
アルコールが手に入らなくなった結果、
次亜塩素酸水でアルコールの代用を行うことが増えてきました。
ここでは次亜塩素酸水と、
間違われやすい次亜塩素酸ナトリウムについての違いを解説していきます。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水とは
塩化ナトリウム、希塩酸、水を原料に電気分解によって作られるものです。
化学合成物質が使用されていないので、
適切な濃度であれば人体への影響が少ないとされているため、
医療機関などで手指の消毒や器具の洗浄、食品加工や機器メーカーなどでも使用されています。
しかし用途によって適正な濃度があり、
除菌効果を高めたいからと勝手に濃度を変えてしまったり、
空間除菌を目的に散布したりすると吸入によって人体に影響が出てしまうので、
使用に関しては十分注意しなければなりません。
基本的に次亜塩素酸水は、微生物に触れると殺菌や除菌作用を発揮していきます。
しかし高温や直射日光により濃度が低くなってしまうため、
早めに使用しなければ十分な効果を得にくいでしょう。
中には人体への安全性を表示しているものもありますが、根拠が曖昧なものが多く、
新型コロナウイルスに対しても現時点で効果が確認されていないので、
有効性の有無も断定できないのが現状です。
次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸水と名前の似ている次亜塩素酸ナトリウムですが、
これは塩素系漂白剤などを希釈して作られたものです。
ハイターなどの商品には次亜塩素酸ナトリウムが使用されていて、
とても強いアルカリ性の液体です。
厚生労働省では、手すりやドアの取っ手などの殺菌消毒に効果的としていて、
どの家庭にもあるという点から身近で使いやすいものと位置付けています。
しかし原液をそのまま使用するのは大変危険であり、
必ず薄めてから使用しなければなりません。
また酸性タイプのものと一緒に使用すると、
有毒ガスが発生して失明の恐れもあるので注意しましょう。
もちろん、次亜塩素酸ナトリウムを使用して手指の消毒、
空間除菌のためのスプレー散布も大変危険なので絶対に避けましょう。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは全く別のものであり、
次亜塩素酸ナトリウムは次亜塩素酸水の代わりに使用することができません。
新型コロナウイルスだけでなく、
他のウイルスに対しても使用されることのある次亜塩素酸ナトリウムですが、
希釈濃度や使用上の注意をきちんと守れば効果的に除菌できるでしょう。
まとめ
今回は、大量のマスクの寄付を行った株式会社東亜産業について調べてみました。
東亜産業は、代表に劉凱鵬(渡邊龍志)氏が就任し、
日本や海外に多数の自社工場や協力会社を設けています。
以前海外でマスク製造を行っていたため、
今回のマスク寄付ができる状態が作れたということでしょう。
また、東亜産業はユニークな商品を販売する会社として有名です。
これまで、化粧品や家電、リキッド型電子タバコやドライヤー、
リラクゼーション機器や加湿器など、様々な製品をブランド展開してきました。
次亜塩素酸ナトリウムを使った首掛け除菌アイテムのウイルスシャットアウトや、
化粧品に扱われますがアルコール入りハンドジェルなども売っています。
ウイルスシャットアウトにも配合されている次亜塩素酸ナトリウムは
消毒として使われていますが、名前が似ている次亜塩素酸水は
現状新型コロナウイルスへの有効性は正確に明かされていないので、
「コロナに効果がある」などの情報には注意してください。
ウイルスシャットアウトはすでに販売が終了しており、
今通販で買えるものはコピー品である可能性が高く、
東亜産業でも注意喚起が出ているので購入は控えた方が良いでしょう。
これからも東亜産業は便利な商品を開発し、
また劉凱鵬(渡邊龍志)氏も社会貢献に力を入れていくと期待できます。