実は大赤字って本当!?『たまごっち』を例にみる需要と供給のバランス
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今回は、大ヒットゲーム『たまごっち』を例に、「需要と供給のバランス」をテーマに書いてみたいと思います。

『たまごっち』とは、1996年にバンダイが発売したキーチェーンゲームです。『たまごっち』と呼ばれるキャラクターに餌を与えたり、トイレを流したりしてお世話をしてあげると成長します。ある程度育てていくと、愛情のかけ具合に応じて「おやじっち」などのキャラクターに変身します。

1997年に女子高校を中心に大ヒットし、『たまごっち』が入荷したら徹夜で店に並ぶ様子がテレビで連日放送されるなど、社会現象を巻き起こすほどのブームとなりました。

日中に『たまごっち』のお世話ができない学生や会社員に代わってお世話をしてくれるという「『たまごっち』預かり所」という保育所までできた程です。50個の抽選に対して、4,000枚の抽選整理券が配られたこともありました。

私も『たまごっち』世代なので、いかに人気があったかは知っています。『たまごっち』は今でいう携帯電話のようなものでした。持っているのが当たり前で、持っていないと友人たちに置いていかれるような恐怖を感じるアイテムでした。それくらい流行っていました。

学校に『たまごっち』を持ってくる女子が大勢いましたし、休み時間は先生にバレないようにこっそり遊んでいました。『たまごっち』を持っていないと話題に入れません。『たまごっち』を持っていることがステータスになっていました。 

これほどまでに売れた『たまごっち』が赤字商品だなんて、にわかには信じられませんが、この情報は本当です。最終赤字はなんと驚愕の45億円です。

なぜあんなに売れたのに、これほどまでに大きな損害を出してしまったのか?答えは「需要と供給のバランスを見誤ったから」です。

つまり、①『たまごっち』ブームが起きる→②バンダイが予想していたより遥かに大ヒットし品薄になる→③バンダイ急いで大量生産する→④ブームが去って売れ残る・・・という悲しい流れが起きてしまいました。当初は、完全に需要が供給を上回っていました。需要に合わせて供給したつもりが、今度は供給が需要を上回ってしまい、結果不良債権となってしまったわけです。

この失敗の要因は大きく2点あると思います。

まず1点目は「発売時の出荷数が少なかったこと。需要を大幅に下回る量しか供給できなかったこと」です。しかし、これに関しては流行りというのは予測できるものでないから、仕方ないと思います。ただ、流行りというのは一過性のものなので、「流行っている今まさにその瞬間に消費者に届けられる状況にしておくこと」はとても重要です。

しかし一方で「簡単に手にはいらない」というのは、モノの希少価値を高め、人の購買意欲に火をつけますから一概にそうとは言い切れません。供給が足りない状況を作っておくことはヒットさせる上で重要です。需要が供給を「わずかに」上回っている状況が理想的ですね。

中には「簡単に手に入らないモノだからこそ欲しい」という人もいたでしょう。「『たまごっち』が売れまくっていてなかなか手に入らない」→偶然入荷した『たまごっち』をみつける→とりあえず買う、という人もいたでしょう。

そして、失敗の大きな要因は、この2点目でしょう。「ブームが去っているにもかかわらず、大量生産してしまったこと」です。最終的に、需要を大幅に上回る量を供給してしまい、売れ残り不良債権となってしまいました。その結果、45億円もの赤字となってしまったのです。

しかしながら、『たまごっち』といえば、その世代の人はみな口を揃えて「ものすごく流行った」「ものすごく売れた」と言いますから、社会現象を起こす大ヒット商品を生み出したという意味では大成功です。売り方を失敗しただけで、商品自体は間違いなくヒットしました。

任天堂の大ヒット商品『任天堂Switch』は、『たまごっち』の例を教訓にしており、大量生産し過ぎないようにしているそうです。ブームというのは予測できるものではなく、どれだけ自信を持って発売しても大して売れなかったり、売れたとしても次のブームが来て徐々にブームが去ってしまったりします。このように需要と供給のバランスは非常に読みにくいのです。

特にエンターテイメント系の商品は難しいでしょう。例えば「芸能人の写真集が売れた」だと、固定ファンがいますから、その芸能人が不祥事やスキャンダルを起こさない限りは増版しても十分売れると思います。

しかし、「ゲーム」だと、他に面白いゲームが同時期にヒットしてしまうと、そちらに顧客を取られて一気にブームが沈静化してしまったりします。エンタメ系のブームはコントロールできるものではないと思いますし、予測するのも難しいでしょう。 

ですから、大量生産し過ぎないことが重要です。大量生産し過ぎなければ、不良債権を抱えるリスクが軽減できるわけです。需要と供給のバランスを適切に判断し、今後も面白い玩具を世に送り出して欲しいですね。

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