
誰にでも1つや2つ、趣味はあることでしょう。共通の趣味から話が盛り上がり、仲良くなったという体験をしている方は決して少なくないはずです。
しかし、中には自分の趣味を人に明かせず、偽っているケースも少なくないようです。なぜ自分が好きな趣味について「嘘」をつかなければならないでしょうか?
今回はTwitter上でも話題となったあるツイートから、趣味を偽る必要性があるのか考えてみました。
特撮は男の子のもの?あるツイートに批判殺到

上記のツイートは2019年7月3に投稿されました。
特撮ヒーローは男の子だけではなく、ヒーローを見て育った大人の男性はもちろん、イケメン俳優が出演しているので主婦層の女性にも人気があります。人気ぶりは女の子も例外ではなく、特撮ヒーローが好きな女の子も増えてきているようです。
しかし、特撮ヒーローは男の子のもの、逆に魔法少女などのヒロインは女の子のものという認識は根強く残っています。ツイート内容に対してツイート主は、「間借りしている認識がないと特撮ヒーローのリーダーや主役に女子がいないのは差別などの勘違いする人がいる」という旨を付け足しています。さらに、大人の特撮ファンに向けても「間借りしている」認識を持つことを訴えました。
そもそも、ツイート主はどういう経緯でツイートを投稿したのでしょうか?元は、漫画家の春原ロビンソン氏が7月2日に自身の娘のことで呟いた頃から始まったとされています。

春原氏は、娘が特撮ヒーロー好きを人に受け入れてもらえなかった悲しみを訴えつつも、自分の好きなものを偽って欲しくないことを願うツイートをしていました。問題のツイートは、上記のツイートに対しての空リプ(特定のユーザーに宛てた「@ユーザー名」がないツイート)だったのです。
春原氏に対しては励ましのリプライが送られている一方、冒頭のツイート主には批判の声が殺到しました。男女問わず自分の趣味を受け入れてもらえないことの方が差別と考える人が多く、今回の炎上騒動に至ってしまったのでしょう。

春原氏のように自分の娘が特撮が好きで、周りに馬鹿にされてしまうと悩む方は少なくないようです。元々、日本人は集団意識が強い傾向にあります。
これは社会ではある程度必要なる意識ですが、時に自分の気持ちを制限してしまう可能性があります。自分身近で趣味を受け入れてくれない人が多ければ、その人は傷付きたくない一心から人に本当の趣味を打ち明けられにくくなるでしょう。これが自分の趣味に嘘をつくことにつながってしまうのだと考えられます。
ツイートの話題に対する関係者の反応
問題のツイートは想像以上に炎上してしまい、特撮ヒーローに関わる人物や企業にも話が伝わっています。ヒーロー雑誌の公式アカウントでは、次のコメントをTwitterで投稿していました。

上記のコメントは問題のツイートが投稿された後の7月4日に投稿されており、明らかに炎上騒動を受けての発言だと思われます。ヒーローの応援に資格なんてないという言葉にファンからは称賛の声が上がり、現時点でいいねの数は3万2,000件を超えています。
また、過去に特撮ヒーローに出演していた女優もコメントを出しています。

女優の広瀬仁美さんの娘もTシャツを愛用するぐらい特撮が好きだそうです。その上、ご本人は戦隊ヒーローのヒロインを演じ、同時にその戦隊で初めて女性リーダーを努めています。
他にも特撮作品では女性がキャプテンのポジションに立つシリーズやレッドに変身できる女性が存在するシリーズもあります。女性リーダーがいる特撮の作品事例があることから、問題のツイート主の意見は論破されたと言っても過言ではないでしょう。
この他にも、特撮映画雑誌や映画評論家なども話題に対して批判するツイートを発信しています。
自分の趣味や好みを偽る必要はない
特撮ヒーローが現在も男の子をメインターゲットにしていることは間違いありません。しかし、だからと言って女の子を対象外にしているわけではないのです。
自身が女性ヒーローを演じていた女優の発言のように、女性の活躍が目立つ特撮作品は増えています。戦隊ヒーローだけではなく、仮面ライダーでも女性ライダーが存在しています。

上記は炎上したツイートに対して一般の人が送ったリプライです。昭和時代は男の子をターゲットとしていますが特撮ヒロインが活躍する作品がいくつかあり、戦う強い女性が描かれています。
現代は男性ヒーローの方が比率は多くイメージが強くなっているものの、昔から女性も特撮作品で活躍していたことが分かるでしょう。
他にも女児向けの作品では男性キャラクターが変身するシリーズもあります。制作サイドはメインターゲットを大切にしながらも、常に新しい試みに挑むという姿勢を持っており、これからも男性キャラが活躍する作品が出る可能性は高いでしょう。こういう背景から、今は男だから、女だからという考え方は少し古い考え方になってきていると言えます。
男女の好みに対する差別は特撮やヒロイン作品だけではありません。

上記色分けの概念に対するに不満を持つ方もいます。世間では水色は男の子、ピンクは女の子が好む色というイメージが強くありますが、中にはピンクが好きな男の子や水色が好きという女の子もいます。
しかし、親や周りから好みを受け入れてもらえず悩む子は少なくありません。世間のイメージはあったとしても、好きな色も特撮ヒーローと同じく男女問わず自由に選べるものであるべきです
自分の趣味や好きなものを侮辱したり、制限したりする権利は誰にもありません。ただ、偏見を持つ方が多いので、世間の目を気にして公にできない人は多いのです。それでも同じ趣味や嗜好を持つ人は少なくないはずなので、偽らずに堂々と主張していった方が良いでしょう。