結局「闇営業」の何がそんなに問題なの?芸人が世間についた「嘘」について
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2019年6月に吉本興業に所属する芸人の解雇が報道されたことから日本中で大きな話題となった「闇営業」ですが、なぜ闇営業はここまで大きく取り上げられ批判の的となっているのでしょうか?
闇営業という言葉を聞いて何となく悪いという印象を持っていても、詳しくは知らないという人も多いでしょう。
今回は、闇営業の問題点と芸人の嘘などについてご紹介します。

Contents

吉本興業の「闇営業」発覚までの流れ

闇営業の問題を多くのメディアが取り上げるようになったのは、2019年6月6日に吉本興業所属芸人であるカラテカ・入江慎也が同事務所を解雇されたという報道が始まりでした。
この騒動の大きな問題点は、入江が事務所を通さず振り込め詐欺グループから出演料を受け取る闇営業を行い、所属タレントを仲介してさらに利益を得ていたことです。
詐欺グループに関わる人物が主催した忘年会に参加した他の所属タレントについても、入江の仲介を通してゲスト出演料を受け取っていました。

この忘年会に参加した吉本興業所属芸人は、雨上がり決死隊の宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号の田村亮、レイザーラモンHG、ガリットチュウの福島善成などで、その他にも複数人の宴会への参加・金銭受領が発覚して大きな問題へと発展します。
入江が関わっていた詐欺グループは、2013年末頃から高齢者に架空の企業の社債を購入させる振り込め詐欺を行っており、2015年に40名が一斉逮捕されましたが、問題となった忘年会の前から入江と詐欺グループの幹部は何度か飲み会をする仲だったことが分かっています。

この件に関して宮迫へ取材を行ったところ、忘年会に参加したことは認めたものの、詐欺グループの忘年会だったことは知らずゲストとして出演料も受け取っていないと証言しました。
騒動発覚当初、吉本興業は忘年会に参加した所属芸人が詐欺グループから金銭を受け取っていたことが確認できないとして厳重注意の措置を取っていましたが、当該芸人への聞き取りの結果、宮迫と亮を含む11名において宴会での金銭の受け取りが判明して謹慎処分を下しました。

さらに、忘年会とは別で反社会勢力が参加していたパーティーにて所属事務所を通さずに金銭を受け取ったとしてスリムクラブ2700が無期限謹慎処分になり、多くの芸人が謹慎処分を受ける重大な騒動となったのです。
宮迫には他にも闇営業に関する疑惑が上がっており、当初は金銭を受け取っていないと証言したことも加味され、吉本興業からマネジメント契約の解消を言い渡される事態にもなりました。
処分を受けた宮迫は、一緒に忘年会へ参加していた亮と共に記者会見を開き、状況説明と謝罪を行っています。

闇営業の何が悪い?嘘をついた理由は?

ここからは、闇営業の何が問題なのか詳しく見ていきましょう。
闇営業とは、所属事務所を通さずに個人として仕事を請け負って、その仕事で発生した報酬を個人的に受け取ることを指します。
このルールは吉本興業に限らず多くの芸能事務所が定めているものになりますが、なぜ個人的に報酬を受けてはいけないのでしょうか?

まず理由として挙げられるのは、本来仕事で発生した報酬は事務所とタレントとで割合を決めて配分するものですが、それが個人に全て渡ってしまうと事務所の儲けがなくなってしまうためです。
特に吉本興業は事務所の取り分が多く所属芸人へ支払う報酬が少ないことで知られており、日常生活に必要な給料を得られないため闇営業をしてしまったのではという声も挙がっています。

実際、過去に闇営業をやっていたと告白したベテラン芸人もいることから、若手の頃は十分な収入を稼ぐのが難しいと感じているタレントも多いのでしょう。
もう1つ闇営業をしてはいけない理由としては、事務所を通していないと行動が把握できないため、責任がとれないという点が考えられます。

今回は、個人的に金銭を受け取っていたことはもちろん、営業の相手が詐欺グループだったこともあって日本中が注目する騒動となりました。

 

事務所に所属している限り個人でなく事務所が責任を取ることになるので、知らないところで闇営業をされてしまうと対応に困ってしまうのです。
では、このように多くの事務所が違反行為としている闇営業について、なぜ宮迫は当初の取材で「金銭は受け取っていない」と嘘をついたのでしょう?
宮迫が活動していた雨上がり決死隊は、多くのレギュラー番組を持ち、番組の司会としても活躍する人気の高いコンビです。

嘘をついた理由に関しては記者会見の中で語られ、闇営業が発覚すれば仕事に関わる人や家族に迷惑をかけてしまうため、保身で嘘をついてしまったと話しました。
参加した忘年会に高齢者への振り込め詐欺を行っていたグループが関与していたことから、詐欺被害に遭った方の苦しみや悲しみに気付けず、浅はかで軽率な考えだったとも話しています。

また、宮迫は入江が解雇処分になった時点で、自分たちも解雇されるのではないかという怖さを感じて状況を静観していたと証言し、隠蔽しようとしていたのではという批判の声も挙がりました。

謹慎による影響や今後の対応は?

13人もの芸人が謹慎処分となったことにより、これまで出演していたテレビ番組に多くの影響が出ています。
特にレギュラー番組の多い雨上がり決死隊の宮迫とロンドンブーツ1号2号の亮が出演する番組では、謹慎中の芸人が未出演の放送回を再放送したり、映らないようにカットして再編集したりと様々な措置が取られました。
番組によっては降板となったものもあり、コンビとしての仕事にも影響が出てしまう事態となっています。

また、闇営業の事実が発覚してから消費者金融や都市銀行を中心に、謹慎中の芸人が出演している番組へのCM出稿が自粛され、番組中に流れるCMにも騒動の影響が見られています。
多くの番組で内容変更・降板などの措置が取られ、今回の騒動における損失は計り知れないものとなっているでしょう。

今後、吉本興業は闇営業の問題に対して、どのような対応を行っていくのでしょうか?
宮迫と亮の共同会見を受けて、吉本興業の会長・社長が会見を行い騒動に関して謝罪をした上で、会長・社長の報酬を1年間50%減俸すると話しました。

この会見では吉本興業の経営体制への批判も多く、所属芸人との正式な契約書を交わしていないことや、報酬の低さが問題とされていましたが、依頼された仕事を明確にする「共同確認書」を作成して芸人に署名させるという取り組みが発表されました。

さらに、吉本興業では1人のマネージャーが複数人の芸人を担当することが多く、マネージャー不足に対して労働監督署から是正勧告を受けたこともあります。
闇営業の報道を受けて吉本興業の経営方針に異を唱える所属芸人もおり、このまま体制が変わらなければ事務所を退所するとの声も聞こえてきています。

スケジュール管理の徹底や事務所に見えないところでの交際管理、経営体制の建て直しが適切に行われなければ、事態の収束は難しいと言えるでしょう。
闇営業のみならず事務所の経営にも批判が集まっている状況で、世間やテレビ業界が納得する対応を取ることができれば良い方向に進むかもしれません。

闇営業騒動が発覚した流れから、闇営業が悪とされる理由や嘘をついたワケ、騒動による影響などについて解説してきました。
連日メディアに取り上げられ多くの人から注目されている騒動ですが、今後の対応次第で大きく動きが変わっていくことでしょう。

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