ウイルスシャットアウトという除菌対策製品への関心が高まっています。
空間を除菌するタイプの製品であるウイルスシャットアウトに対して、
・そもそも空間除菌用品とは?
・ウイルスシャットアウトの成分は?
・コロナ対策として効き目はあるの?
などの点が気になっていた人も多いでしょう。
今回は、様々なタイプの除菌製品の中からウイルスシャットアウトのように空間を除菌する製品について取り上げてみます。
最適な除菌対策グッズを選びたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
空間除菌とは?「ウイルスシャットアウト」を例にまとめました。
除菌対策の中でも、空気中に存在しているウイルス対策に大きな注目が集まっています。
目には見えないウイルスだからこそ、日常的に身を置く空間に対しても除菌をしたいという人が増えていることが理由でしょう。
そんな中、空間除菌という言葉はトレンドになり、様々な対策グッズが販売されるようになっています。
ウイルスシャットアウトとはどんな製品?
空間除菌製品には、スプレータイプや首掛けタイプなどの製品があります。
スプレータイプの場合、空間に噴霧して除菌と消臭をする製品です。
除菌したいものにスプレーして、ウイルスや菌を除去・除菌するために使います。
東亜産業の除菌フレッシュという製品のパッケージには、“シュッシュッと噴霧するだけ緊急ウイルス対策”と表記され、“ウイルス・菌を除去・除菌”と大きく書かれています。
“リビング・キッチン・トイレなど様々な暮らしのシーンで、塩素成分でウイルス除去・除菌”、
“安心の日本製”との表記もあります。
除菌成分は二酸化塩素ということも、パッケージを見れば分かります。
ウイルスシャットアウトは、“首にかけるだけの除菌ブロッカー”という表記があり、
お手軽にウイルス対策ができることが分かります。
二酸化塩素を発生させる亜塩素酸ナトリウムや天然ゼオライトが主成分となっているようです。
効果は開封後約30日間持続すると記載があります。
また、ウイルスシャットアウトは既に製造販売が終了し、完売していることも製造販売元のWebサイトで確認できました。
そもそも空間除菌とは?
一般的に空間除菌には、二酸化塩素や次亜塩素酸(次亜塩素酸水)が使われ、除菌成分を空間に放出し拡散させて空間そのものを除菌します。
部屋に設置して二酸化塩素ガスを空間に広げるジェルタイプの製品や、スプレーすることで拡散するタイプの製品など、空間除菌は人気です。
基本的に、空間除菌用の製品の多くは日用雑貨品として扱われるため、特定の菌やウイルスに対しての効果は謳えません。
ただし、空間除菌用の製品に使われる成分自体に効果が全くないというわけではないため、どんな成分が使われているかは知っておくと良いでしょう。
どんな成分が入っているの!?
除菌対策のグッズには、除菌・消臭の効果が期待される様々な成分が入っています。
アルコール以外にも、二酸化塩素や次亜塩素酸ナトリウムなども除菌対策によく使われる成分です。
実際に、空間除菌製品に入っている成分にどのような効果があって何に使われているかを詳しく見ていきましょう。
二酸化塩素の効果と用途
二酸化塩素は漂白剤や消毒剤として使われる成分です。
強い酸化力を持ち、ウイルスの除去や除菌、消臭、カビ対策などの効果があります。
塩素のような刺激臭があって、空気よりも重く色は黄色がかっています。
製紙業界では紙パルプなどの漂白に、プールでは水の消毒にと様々な用途に使われる成分です。
二酸化塩素ガスは後述する次亜塩素酸ナトリウムと比較して、約2.5倍の酸化作用を持っています。
刺激臭がある二酸化塩素ガスを使った空間除菌は、目や粘膜などを刺激する危険があるとも考えられており、
濃度や使用方法には注意が必要と言えるでしょう。
次亜塩素酸ナトリウムの効果と用途
次亜塩素酸ナトリウムとは、塩素系漂白剤に使われる成分です。
いわゆるハイターなどの漂白剤は、次亜塩素ナトリウム濃度が6%程度で作られた製品となります。
次亜塩素酸ナトリウムは、温度が高い場所や日光が当たる場所などに置くことで濃度が低下します。
ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムなどを薄めて、透明な容器に入れてしまうと次亜塩素酸ナトリウムが分解されて濃度が下がってしまう点は意外と知られていないのではないのでしょうか?
次亜塩素酸ナトリウム液は新型コロナウイルス対策として、手が触れる場所を除菌することに使えるものの、取り扱いには注意が必要です。
特に、酸性タイプの製品と混ぜると有毒ガスが発生します。
基本的に、手などが触れる場所を除菌するために使用する成分なので、直接的に手や指などに使用してはいけません。
ハイターなどから手作りした次亜塩素酸ナトリウムを薄めた液体を、空間除菌用にスプレーで散布することも危険です。
ウイルスシャットアウトはコロナウイルスへの効き目は不明。販売店の対応は?
新型コロナウイルスの流行で、アルコール除菌グッズが品薄状態となっただけでなく、アルコールで手荒れする人もいることから、アルコール以外の除菌対策グッズへの期待が高まりました。
しかし、二酸化塩素や次亜塩素酸ナトリウム液、次亜塩素酸水など、成分名だけでは効き目や安全性が分かりにくいことが多くの混乱も招いています。
特に、新型コロナの流行をビジネスチャンスと感じて除菌対策グッズを売りたい販売店にとっては、ウイルス除菌グッズと言えば売上アップが望めることもあり、実際には効き目が不明な商品も実店舗やネットショップに溢れる状況が続きました。
今回の記事で例に挙げた「ウイルスシャットアウト」については、既に製造販売が終了しているにも関わらずコピー商品が出回っているだけでなく、そもそも製品の発売元は新型コロナウイルスに対して効果があるとの表示をしていない製品です。
しかし、販売店が独自に店内POPや広告などにコロナ対策グッズとしてアピールし売ってしまうという事例が発生しています。
一般消費者にとっては、売り場のPOPで新型コロナ対策と表示されていれば、その情報を信じてしまうでしょう。
ウイルスシャットアウトの場合、販売元である東亜産業が新型コロナへの効き目については不明であることを打ち出しており、販売元自ら注意喚起を行っています。
さらにはコピー商品を、販売店が効果ありと表記して売っているケースまであるので、消費者は販売店の広告を鵜呑みにしてはいけません。
正しい知識を身に着けることが最も大事!
ウイルス対策グッズ、空間除菌用品など、市場には様々な製品が溢れています。
新型コロナが流行し始めた頃には品薄だった除菌用品も、現在は安定して供給されるようになりました。
そんな中、空間除菌用の製品が本当に新型コロナウイルスに効果があるかどうか、専門家の間でも意見が分かれているのが現状です。
多くの研究機関や公的機関などが除菌用の製品について分析を行っています。
携帯型の空間除菌剤については、菌やウイルスを抑制する効果が全く認められないという研究も発表されています。
次亜塩素酸水についても、ウイルスに対する有効性が認められないという評価をした機関もあれば、感染力が弱まったとするデータが発表されるなど、有効性そのものは明確になってはいません。
さらには、次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウムについての危険性も指摘され、安全性が確保されているとも言い切れない状況です。
製造販売する会社が「新型コロナ対策としての効果は不明」としている製品を、販売店が「新型コロナ対策グッズ」として販売している場合もあるため、消費者が正しい知識をもって製品を見極める必要があるでしょう。
まとめ
新型コロナの感染拡大をビジネスチャンスととらえた多くの企業が、成分も効き目も価格も様々な除菌対策製品の取り扱いを始めています。
ウイルスシャットアウトのような空間除菌用品に使われる二酸化塩素などの成分も、製品によって成分や濃度などが様々で、効き目についても専門家の中ですら意見が割れているのが現状です。
除菌用品や衛生用品への関心の高まりを受けて、多くのメディアが様々な情報を発信しています。
今回の新型コロナウイルスは、流行当初からウイルス対策に関する情報が錯綜し、テレビなどのマスメディアの情報も、ネットなどで発信される情報も、必ずしも正確とは言えない混乱状態が起きていました。
熱に弱いウイルスだと言う人もいれば、熱にも強いと主張する人もいたり、アルコールしか効き目がないと言う人がいたりと、何が正しい情報なのかが分かりにくい状況が続いています。
それだけ、人類が経験したことのないウイルスだと言えるでしょう。
だからこそ、本当の情報を得ることの重要性が浮き彫りになりました。
新型のウイルスから身を守るためには、情報を鵜呑みにせずニュートラルな視点で判断できる知識をしっかりと身に付けることが重要です。
ウイルスシャットアウトなどの空間除菌用品についても、しっかりと情報を確認してみましょう。
どのような会社が、どんな理念で製品開発を行っているかも確認しながら安心できる製品を選ぶことが、これからの消費者行動のあるべき姿と言えそうです。