【検証】SNSで「嘘をつく」と逮捕されるの?
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近年ではSNSが流行し、自分の思ったことをつぶやいたり撮影した写真を掲載して多くの人々に見てもらえる機会が増えています。

しかし、様々な情報を得たり発信できるSNSでも、嘘をついたりある程度のマナーやルールを守らなければ、時として「法律」に触れてしまうこともあります。

ここでは、そんなSNSについて最低限知っておかなければならないルールや、実際にSNSで犯罪となる例をご紹介しましょう。

民主主義における表現の自由とは?

一口に法律と言ってもピンと来る人はそう多くないでしょう。しかし、法律は生活の中に多く溶け込んでいます。

毎日安全に学校や会社に行く時にも、スーパーで買い物をする時にも法律は役立っています。人々が安全に暮らすためには欠かせないものが法律なのです。

現代ではインターネットなどを使って簡単に自分を知ってもらうことができます。ある程度の年齢になれば、未成年でも多くのSNSのアカウントを持つことが可能になるため、自由な表現の場所を手に入れることができるでしょう。

この時、個人が自由な表現を行うにあたり、国家権力は個人の自由な表現を侵害してはいけないことが憲法によって決まっています。

表現の自由は基本的人権の中では重要な権利の1つであり、自由に表現できるからこそ、様々な活動を行うことができ、個人個人が能力を高めながら成長することができるのです。好きなファッショをして、好きなメイクをして、好きな歌を歌うように人は様々な表現や経験をすることで成長していきます。

これは「自己実現」と言い、何歳になってもそれらの表現をして経験することが可能であり、表現の自由は、自己実現をするためにはとても重要なものです。

また、それ以外にも、政治や社会について様々な場所で色々な話し合いをすることもあるでしょう。時にはそれらについての批判や、問題点を議題にすることもあります。

そして、自分の意見をしっかりと持ち、適切な情報を入手しながら選挙に参加することで、「政治的な意思決定」を表現できるようになります。これを「自治統治」と言い、自治統治がまかり通る国は「民主主義」の国と言えます。日本以外にも表現の自由が認められている国もたくさんあり、民主主義の国では全ての人々に表現の自由はあります。

身辺で起こったことや、自分の好きな趣味、その他にも知ってもらいたいこと、広めたいことなどを自由に表現・発信でき、自分以外の人の意見も同じように受け取ることが可能です。個人の表現や思想を国家が管理・監視したら民主主義は崩壊します。そのため、民主主義国では国の一存で表現の規制をするようなことはできないような仕組みになっているのです。

「名誉」「プライバシー」「肖像」とは?

現代での情報発信や受信をするために欠かせないツールがSNSです。しかし、使用する時には十分に使い方に気を付けなくてはなりません。

いくら表現の自由があるといっても、嘘をついたり他の人を傷つけることになれば話は別です。人は皆、「名誉」を持っています。個人それぞれが社会的に評価されていることが名誉であり、偉い人だけが持つものではありません。

例えば、AさんがSNSにBさんの許可なくBさんが恥ずかしい思いをするような写真をアップすれば、Bさんが精神的に辛い思いをし、Bさんに対する周りの人の評価も変わってしまうでしょう。

そのように社会的な評価を失わせてしまうことを「名誉毀損」といいます。学校の友人の悪口を書き込んだり、匿名で嘘や標的となる人を貶めるようなことをネットで拡散させるのも、時としては名誉既存となることもあります。
名誉毀損罪は、れっきとした犯罪です。

また、名誉毀損した加害者は被害者に対して「損害賠償」をしなくてはなりません。また、名誉だけではなく、SNSを使用して自己表現を行う人には、他の人のプライバシーにも気を配る必要があります。

プライバシーとは、個人が他の人に隠しておきたいと思っていることであり、名誉のように、社会的な評価に関係なく個人の秘めた思いと言えます。そんなプライバシーを他の人が勝手に公開し、公表された人が不快な思いを感じたら「プライバシーの侵害」になります。

さらに、人は勝手に撮影されたり、それを公開されたりしない権利である「肖像権」というものに守られています。たとえ、同じ学校に通う生徒であっても先生や職員のことを勝手に撮影・公開しても犯罪になります。従って、SNSに他の人のことや写真を載せる際には、こうしたプライバシーや肖像権を鑑みて十分な配慮をしなくてはならないのです。

実際にSNSで犯罪となってしまう例は?

ツイッターなどの人気SNSでは、他人のつぶやきをそのまま自分のつぶやきの中に組み込むことができるリツイートという方法があります。これは、たくさんの人に面白いと思ったつぶやきを見てもらうのにとても便利な機能といえます。

しかし、面白いからと言って何も考えずにリツイートしたことから「名誉毀損罪」や「業務妨害罪」などに発展してしまうケースもあります。

ネット用語では「炎上」と言われたりすることもありますが、面白半分に大きな事件の関係者の個人情報などをリツイートすると法的責任を問われる可能性があるため注意が必要です。

 

そのリツイートは「情報の拡散」?それとも「事実の公開」?

例として、万引きや飲酒運転を行ったというような犯罪に関わるつぶやきをリツイートした場合は、自分以外の他の人の書き込みを拡散しただけなので何の問題もないと感じるでしょう。

しかし、この場合でも法的責任を問われることがあります。見方によって、このリツイートが「犯罪を行った事実を指摘したために、つぶやいた人の名誉を毀損した」と捉えられた時には、「名誉毀損罪」が成立します。

そのため、事実であるかも確認できずに悪口を広めることも名誉毀損罪にあたります。今の日本の法律では、こうしたリツイートによって検挙された例はありませんが、たとえリツイートであったとしても、自分の書き込んだ文章や表現には法的な責任を持つことになります。

犯罪になることも十分あり得るので注意しておきましょう。

 

ネットを横行する嘘やデマに注意する

ネットの情報には真実も嘘も入り乱れており、意識していなくても誤った情報やデマを拡散してしまうことがあります。そんな時、嘘やデマを書き込んだ人は「名誉毀損罪」「業務妨害罪」などの罪に問われ損害賠償を請求されることもあります。

また、前述のようにリツイート拡散した人も同様の罪に問われる可能性も少なからずあります。たとえば、「嘘」をテーマにした面白いニュースを発信しているまとめサイトもありますが、その内容を嘘とは気づかずに誤って拡散してしまう人もいるでしょう。

また、冗談で友人に向けて行った「ネタ投稿」や、ただ単に人の目を引くために行った「釣り投稿」、あからさまな嘘を書き込む「狂言投稿」も、デマの温床となる可能性が高いです。

民主主義国である日本には表現の自由がありますが、自由に表現できるSNSで知らず知らずに犯罪を犯してしまうことにならないように、肖像権を守りプライバシーに配慮しながら情報発信をしていくことが重要です。また、友人がリツイートや拡散している情報だからといって、それが必ずしも真実とは限りません。

冗談の範囲で収まるものであれば問題はありませんが、他の人や団体などの名誉を棄損するものや犯罪に関する情報は、少しでもおかしな内容だと感じたらそのニュースの出所や情報源をきちんと確認してからリツイートするように心掛けると良いでしょう。

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