新型コロナウイルスの影響でリモートワークやテレワークへの移行、外出制限など、大人たちに様々なストレスを与えてきました。
それは子供達も同じで、一斉休校や夏休みの短縮、授業がオンラインになるなど様々な環境変化を与えています。
しかし10代が何もしていないわけではなく、コロナ対策の取り組みの一環として自分の思いを打ち明けたり、SNSを使ってたくさんの取り組みを行ったりしているのです。
そこで今回は、10代が行っているコロナへの取り組みについてご紹介します。
コロナウイルスの影響についてのアンケートを取った結果
認定NPO法人ディーピーは、中高生を対象に実施した新型コロナウイルスの影響についてのアンケート調査の結果を発表しました。
その内容には、気持ちにどのような変化を感じているのか、生活にどのような変化を感じているのかなどを聞いています。
子供達は、新型コロナウイルスについてどのように心境を明かしているのでしょうか?
心境の変化では「不安」や「やる気が起きない」が多く上がった
中高生にどのような気持ちの変化を感じているかを尋ねたところ、何もやる気が出ないようになったが一番多い結果となりました。
その他にも、急に不安になることが増えた、理由もなくイライラすることが増えたなど心境に「不安」を覚える人が多い印象です。
連日のメディアによる、コロナウイルス感染者報告が影響していると考えられます。
生活の変化では「ゲームやスマホを使う機会が増えた」と回答
生活にどのような変化を感じているのか尋ねたところ、ゲームやスマホを使う機会が増えたという回答が一番多い結果でした。
コロナウイルスの影響で外出する機会が圧倒的に減り、その結果食事が不規則になったり寝ていることが多くなったりと様々な影響を与えています。
今不安に感じていることの回答に「学力が下がる不安」が多かった
今不安に感じていることは何かという回答では、「学力が下がる」ことや「運動不足で不健康になる」などといった回答が多く上がりました。
また、身近な人への感染や自分が感染するかもしれないといった感染への恐怖や生活習慣の乱れを心配する声もあるようです。
この他にも、親の収入が減ったことへの懸念など、経済的な不安を感じている声も多く上がりました。
アルバイトをしている学生は、新型コロナウイルスの影響で就業時間が減り収入が減ったと回答しています。
このように大人だけでなく、中高生を中心とした10代も新型コロナウイルスへの不安が大きくあることが分かります。
中学生がコロナウイルスの関心を持った課題には興味深い内容が
名古屋市にある桜田中学校に在籍する中学2年生の自宅学習プリントに課題が出されました。
作家のあさのあつこさんからのメッセージや新型コロナウイルスに関する新聞記事を添えて関心を持った記事に意見を書くという課題です。
その課題には、大人も深く考えさせられる内容が綴られています。
ここでは、その内容についてご紹介します。
人間の弱点や短所だと思うと指摘する声が
トイレットペーパーの買い占めやマスクをせずに歩いている人を非常識だという内容には、自分もできていないのに身勝手に他人に一喝入れている人も多いと思うと述べている中学生がいました。
あさのあつこさんがこの状況をチャンスと述べていることに納得して、こんな経験があったことで日常の生活のありがたみを再認識できたとしています。
大人の言うことが完璧だと思っていたが違うという声も
大人の言うことがすべて正しくて完璧だと思っていたが、大人も間違いや失敗することもあるから自分で考えて行動しようと思ったという声も上がっています。
非常識だと誰かを責めるニュースを見た時は、差別するなんてくだらないことをするなぁと思ったという声には大人も考えさせられます。
また全人類で協力し合ってウイルスを倒す時だと思ったという声には、大人たちも賛同できるでしょう。
あさのあつこさんの言葉が心に刺さったという中学生は多い
あさのあつこさんは「大人の言葉をうのみにせず考えてみて」と記事の中に残しており、この言葉が心に刺さったという中学生は多くいました。
このリポートを見たあさのあつこさんは、自分について深く思考しようと考えている生徒たちが心に残ったと言います。
大人たちの言葉の軽さに唖然とさせられたというあさのさんの言葉には、大人である私たちの心に刺さるでしょう。
このように10代である中学生が、コロナウイルスに対する自分たちの思いを綴る取り組みがたくさん行われています。
このような取り組みから子供達の思いを知っていくことは、大人たちにとって非常に大切なことだと言えます。
中高生を中心に「TikTok」の利用が増えている
コロナウイルスの影響で、中高生を中心に動画SNSアプリである「TikTok」の利用が増えているそうです。
10代たちにどのように利用されているのか、休校期間におけるTikTokの活用実態を見ていきましょう。
「#休校チャレンジ」で動画投稿数が増加
3月初旬に中高生の間で流行した「#休校チャレンジ」という動画は、学生を対象として自分をテーマに家の中で撮影して動画を投稿するものです。
この企画に高校生や大学生など8000件以上の投稿が集まり、7400万回以上再生される人気の動画となりました。
突然の休校で行き場のない思いを表現する場として機能しており、5月にも「#休校チャレンジGW」などの企画が開催されています。
「#プランクチャレンジ」で自宅トレーニングを楽しむ様子も
テレワークなど在宅期間が増えて運動不足を感じられる大人も多いでしょうが、それは子供達も同じです。
TikTokでは自宅トレーニング動画が人気を呼んで、3月中旬から4月中旬の間では自宅トレーニング動画の再生数は3億回を突破しました。
「#プランクチャレンジ」はその一つで、音楽に合わせてプランクという体感トレーニングの基本メニューをこなす動画が非常に人気です。
他にも、ダンス動画を投稿するエアロビチャレンジや腕立てチャレンジなど自宅でのトレーニング動画は人気が高く10代だけでなく様々な人が投稿しています。
10代にアプローチを掛けられる場として機能している
10代の学生が活用するだけでなく、学生たちに知ってほしいことをアプローチする場としてもTikTokのような動画アプリが注目されています。
新型コロナウイルスには手洗いが効果的とされており、その手洗いを楽しんで正しい方法と大切さを伝える動画企画がTikTokに上がっています。
ミューズの手洗いチャレンジがその一つで、手洗いの正しい方法と大切さが撮影されているのです。
10代に新型コロナウイルスに関する情報を伝えるために、自治体がアカウントを作成したという事例もあります。
現在のTikTokは「COVID19」マークが表示されていて、日本と世界のコロナウイルスに関する情報も得られます。
TikTokを活用した取り組みは、大人たちも見習っていくべきでしょう。
今回は、10代が行っている新型コロナウイルスに対する取り組みをご紹介してきました。
10代は自宅にいながらもコロナウイルスに関する思いを綴った取り組みや、SNSを活用した取り組みをしています。
「子供だから」と何も取り組みをしていないと感じているのであれば、今10代の子供達が何をしているのか見てみることが重要です。
10代でもコロナに向けて新しい取り組みをしているので、大人たちも見習うべきなのではないでしょうか?