
家庭教師のトライや個別教室のトライを運営する株式会社トライグループは、コミカルなCMのイメージとは裏腹に「学ぶ」ことに真剣に取り組んでいる企業です。
時代の移り変わりや学習環境の変化にいち早く対応し、子どもたちの学びを多角的にサポートしてきました。
「日経 xTECH EXPO AWARD 2019」において準グランプリを受賞したトライ式AI学習診断はその一端といえるでしょう。
他にも、映像授業サービスを無制限で見ることができるトライイットなど、これまでの常識に捉われない学び方を提案しています。
今回は、トライグループが取り組む、変わりゆく学び方への対応についてご紹介します。
トライグループとはどんな企業?
二谷友里恵氏が代表取締役を務める株式会社トライグループは、家庭教師を派遣する「家庭教師のトライ」や個別指導塾の「個別教室のトライ」など子どもたちの学習をサポートしている企業です。
1987年の創業以来、120万人以上への指導実績を誇り、そこで培ったノウハウを活かして通信制高等学校サポート校「トライ式高等学院」や「トライ式医学部合格」「難関大合格コース」などを展開してきました。
また、大人を対象にビジネス英会話や宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーといった講座が揃う「大人の家庭教師」では、趣味を楽しむシニア世代に向けたゴルフや水彩画、ギター教室といった講座も展開しています。
培ったノウハウを活かし、個人に合わせた学習カリキュラムを作成できるのがトライグループの強みであり、それは大人にも適用されます。
語学研修やビジネススキル研修といった法人向けサービスでは対象の企業ごとにコンサルテーションを行うので、目的に沿った成果が出やすいのが特徴です。
個性的なCMは常に注目を集めている
トライグループと聞いて真っ先にCMを思い浮かべる人も少なくないでしょう。
話題性の高いタレントやアイドルを起用したCMやアニメをベースにしたCMで一躍有名になりました。
中でも、アニメ「アルプスの少女ハイジ」の登場キャラクターたちが繰り広げるトライグループのCMは、コミカルな展開が注目を集め、シリーズ化もされています。
歴史ある広告賞「ACC CM FESTIVAL」を前身とした「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」や、
「日テレCM大賞」でも受賞歴があるなど、そのクオリティの高さはメディア業界でも評判となっています。
トライグループのCMがここまで評価された背景には、教育という一種の“聖域”の常識を打ち破り、
アニメや話題性の高い芸能人などを起用したCMを展開したという点が挙げられるでしょう。
CMのベースとして採用したアニメが「アルプスの少女ハイジ」だったことにも大きな戦略が見えてきます。
もともとは1880年頃に執筆された児童文学作品だった「アルプスの少女ハイジ」が日本でアニメ放送されたのは1974年でした。
当時夢中になってアニメを見ていた世代は今、子どもを持つ親となっているのです。
CMを見て懐かしさや親しみを感じ、トライグループの利用を検討する家庭が増えたことは想像に難くありません。
学習指導における豊富なノウハウと巧みな広告戦略がトライグループの立場をより確かなものにしたのです。
教育AI賞を受賞した「トライ式AI学習診断」とは?
「日経 xTECH EXPO AWARD」とは最新技術とビジネスを融合させ、“境界(クロス)領域”で起こるイノベーションを評価するもので、単純な技術だけでなく付加価値なども評価の対象になります。
「トライ式AI学習診断」は、教育とデジタル技術を融合させるEdTechの先駆けとして高い評価を受けました。
EdTechとは、英語の「教育(Education)」と「技術(Technology)」をかけ合わせた造語で、教育に技術革新を起こすビジネスやサービスの総称として使われます。
教育現場は長い間、変化を良しとしない“聖域”とされてきましたが、時代の移り変わりや学習環境の多様化により大きな変化を求められるようになりました。
そこで期待されているのがEdTechであり、そのEdTechの先駆けとして評価を受けたのが「トライ式AI学習診断」です。
つまずいた箇所を穴埋めする指導ではなく、つまずきの前後からの関係性や、つまずく原因までを網羅することで学力を解析・診断しています。
これは豊富な指導実績による膨大なデータがベースとなっており、トライグループだからこそ実現できたシステムといえるでしょう。
診断と言っても、アプリで約20問のクイズに「○・×・わからない」の選択肢から選んで回答するだけです。
およそ10分程度クイズに答えるだけでAIが苦手科目や分野、今の学力を正確に診断してくれます。
診断結果は単元別に理解度を「得意・やや苦手・苦手」3段階で表してくれるので、自分でも認識していなかった苦手な単元を知ることができます。
トライ式AI学習診断は中学・高校の主要科目に対応しているので、受験対策だけでなく、定期テストにも役立てられるシステムです。
高性能な学力診断が手軽に、高速で行えるトライ式AI学習診断は、そのコンセプトや革新的な技術が高く評価され、教育AI賞受賞に至りました。
トライグループの新たな取り組みとは?
家庭教師の派遣や個別学習塾を軸とした運営を行っているトライグループですが、2015年に新たな取り組み、「トライイット」を開始します。
映像授業を無料で受けられるトライイットはオンライン上で無料配信されるだけでなく、
生徒からの質問に家庭教師がオンラインで答えるという、当時業界初の試みでした。
ところが、トライグループが開始したトライイットは配信中にわからない箇所がある場合に生徒がスマートフォンを振るだけで、
家庭教師に質問ができる「トライイット機能」や、家庭教師からの答えもオンラインで返ってくるという点が大きな特徴です。
これは、子どものスマートフォン所有率が高いことに着目し、サービスの開発を進めたトライグループのこだわりで、「人は、人が教える。人は、人が育てる。」という信念を貫いた結果といえるでしょう。
時代の流れや学習環境の変化を受け入れながらも、価値観を大切にし、オンライン家庭教師サービスという形を取ったトライグループはEdTechの先駆けとして教育業界を牽引する役割を果たしています。
120万人を超える子どもの学力向上に注力し、多くの実績を残しましたが、一方で様々な理由により思うような学習ができない子どもたちがいることも知るのです。
「近くに家庭教師がいない」「学習塾や予備校といった学習施設が行動圏内に存在しない」など、地域や経済的な事情から学習機会を得られていない子どもは少なくありません。
トライグループはそういった教育格差を埋めるためにもトライイットのようなサービスが必要だという考えに至ったのです。
細やかな単元を短い時間でわかりやすく配信することで学習効率のアップを図るとともに、キーワードで見たい授業が検索しやすいなどのメリットもあります。
中学・高校の主要科目に対応しているので、授業の予習復習から定期テスト・受験対策として幅広く活用可能です。
その名も「トライ式プログラミング教室 オンライン講座」です。
これまで教室でのプログラミング教室を開講してきましたが、全国各地で開講しているものの地域格差があり、その格差をなくすためにオンライン形式の講座を開講したということです。
この講座はソニー・グローバルエデュケーションの「ロボット・プログラミング学習キット『Virtual KOOV』」をベースにソニーとトライグループが共同で開発したオリジナル教材と、トライ式のメソッドが詰まったオリジナルテキストを使用して行われます。
テキストに自分で自由に書き込む事ができるため、あとから見直して復習することも出来るようになっています。
また、プログラミングに絡めて算数や理科も学習するため子どもたちが楽しみながら理数系に必要な知識や倫理的思考を身につけることができるということです。
費用や詳しい条件、授業内容などについては個別教室のトライのHPから確認する事ができます。
まとめ
今回はトライグループが取り組む、変わりゆく学び方への対応についてご紹介しました。
トライグループは誰もが学ぶ機会を得られるだけではなく、選択肢を充実させられるよう時代の移り変わりや学習環境の変化にいち早く対応しています。
そして、EdTechの先駆けとして今後もその役割を果たしていくでしょう。