今こそ「違法ダウンロード」の嘘と本当についてちゃんと考えてみよう!
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著作権を持っている人から許可なく著作物を利用、またはコピーしたりする行為を「著作権の侵害」と言います。著作権を侵害しているコンテンツをダウンロードすることで違法となる、著作権法の改正案を巡り、自民党が大きく動き出したことで注目を集めています。著作権利者の許可なくインターネットにアップロードされたと分かっていながら、マンガなどの著作物をダウンロードする行為を違法とすることが改正案の重点を置いているところです。この改正案について、違法なコンテンツを含む画面をスマホなどにスクリーンショットして保存するだけでも違法になる可能性があるため、著作権利者である漫画家らは「範囲の広すぎる規制は、インターネット利用の萎縮を招く」と声を上げており、難しい問題となっています。今回は違法ダウンロードの嘘と本当について考えてみました。

Contents

著作権法の改正議論の発端は「漫画村」

漫画村は2016年に開設された海賊版の漫画ビューアサイトであり、2017年に登録不要で完全無料という口コミが広まり急激に利用者が増えました。漫画の他にも小説や雑誌、写真集など、様々な形で海賊版がネットに出回り、漫画村以外にも同じような違法サイトがたくさん登場しています。また、それぞれのサイトの規模が大きくなり社会的な問題となってしまいました。海賊版とは漫画だけでなく著作権利者に許可なく複製やアップロード、発信された動画や音楽などのことも指します。漫画家やアーティスト、その動画の製作会社などに著作権が与えられており、通常漫画本やCD・DVDになって販売されたり有料配信されることで、制作した著作権利者へ収入が入っていきます。

しかし、海賊版が広まることで、その漫画家やアーティストなどに収入が入らなくなってしまうのです。漫画村だけでも被害額は3000億に上ったと言われています。海賊版が無料で楽しめることは、利用者にとってお得に感じられるかもしれませんが、著作権者に収入が入らないことで次の新しい作品が制作できず、次の作品を楽しむことができないことにもつながってしまうでしょう。

このような違法サイトに対し、日本政府は応急措置としてプロバイダが接続を遮断するサイトブロッキング要請を検討しました。ただ、日本インターネットプロバイダー協会から「通信の秘密の侵害」に当たるため原則ブロッキングに応じることができないという意見や「インターネットへの自由なアクセスの阻害だ」という法律の専門家からの批判的な声が上がったのです。こういった出来事の中でサイトブロッキングの代わりの措置として、著作権法改正へと発展していきました。

改正案、どんな行為が違法?

現時点の改正案において、民事と刑事によって必須条件が違ってきます。民事の場合、違法アップロードされた著作物全てが対象であり、違法コンテンツであることを知っていることが必須条件です。違法コンテンツだと知らなかった場合や、漫画村のような海賊版サイトからダウンロードしても、海賊版サイトだと分からなかった場合は違法にはなりません。また、「海賊版と知っていながらでも漫画や動画音楽を視聴するだけでも違法ですか?」という質問をよく耳にしますが、海賊版と知りながらも視聴しただけでは違法にはなりません。違法ダウンロードとは録画や録音などスマートフォンやパソコンへ保存されることが違法です。刑事の場合さらに範囲は狭くなり、著作物全般の中から正規版が有償で販売されているものが対象です。その中で、二次創作は外し継続または繰り返して行う「常習性」を必須条件としています。

違法ダウンロードで逮捕者が出ない理由と、逮捕されないためには

現在違法アップロードにおいて逮捕者は出ていますが、違法ダウンロードについてはまだ逮捕者は出ていません。
その理由を見ていきましょう。

・権利者の告訴が必要だから
違法ダウンロードは親告罪であり、権利者の告訴がなければ起訴することができません。大きなインターネット社会の中でどこの誰がこの動画を違法ダウンロードしているといことを把握するのは難しいと言えるでしょう。

・違法ダウンロードそいたという証拠が必要だから
違法ダウンロードを証明するために、侵害者が違法アップロードされたコンテンツを保存している証拠を見つけ出さなければいけません。こちらも、誰が違法ダウンロードをしたか特定するのが難しい上に、特定できたところで相手にスマートフォンやパソコンの中身を確認させてくれと申し出ても素直に対応してくれることは少ないでしょう。例え、その人が違法ダウンロードをしているという確信があったとしても、プライバシーの侵害や脅迫罪になるのでしつこくしては絶対にいけません。

・違法ダウロードした人全員を取り締まるのは非現実的だから
違法ダウンロードは違法だと知らずにやっている人もたくさんいるため、全国の全員を取り締まることは難しいです。また、違法ダウンロードした人を逮捕したところで違法アップロードをする人がいる限りネットには違法な動画がで回り続けるため根本的な問題が解決できません。違法アップロードする人を逮捕すれば、そこから違法ダウンロードする人はいなくなるため、違法ダウンロードする人よりも違法アップロードする人の方が重大視されているのです。まだ違法ダウンロードで逮捕者が出てないとは言え、懲役や罰金が定められており今後も逮捕者が出ないという状況が続く保証はありません。違法ダウンロードで逮捕されないために気を付けることを見ていきましょう。

・正規の方法でダウンロードする
正規にコンテンツやサービスを利用すればお金がかかってしまいますが、違法ダウンロードをする心配がありません。「エルマーク」のついたサイトは信頼することができます。エルマークは、レコード会社や映像製作会社と交わされる契約に応じてコンテンツを配信しているパソコン向けサイト・スマートフォン向けサイトなどに表示されています。

・違法にダウンロードしてしまったものは消す
ダウンロードした時は違法と気付けなくても後から気付いた場合はすぐに消しましょう。一度ダウンロードしたものでも削除すれば、侵害状態は回復するので逮捕される心配はなくなります。

・違法ダウンロードしたものを共有しない
違法でダウンロードしたものを他の人へ共有したり自分がアップロードしてしまったら違法アップロードで逮捕されてしまいます。違法アップロードは10年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金という違法ダウンロードよりも罪が重いので注意が必要です。

良心を持っている人間であれば誰もが違法や犯罪は犯したくないと思うはずです。ぜひ、上記を参考にして不意に著作権侵害をしてしまわないように心掛けましょう。現代ではインターネットが使われていることは当たり前で必要不可欠です。違法アップロードやダウンロードの他にも、インターネット詐欺などたくさんの危険が溢れています。違法アップロード、違法ダウンロード同様にそのサイトやコンテンツが信頼できるものなのか、嘘か本当かしっかり見抜いてインターネットを楽しむことが大切です。また、現在の発信者情報の開示制度の不備に注目すると著作権法を改正する必要はないとも言えます。違法なものをダウンロードした人を罰するということよりも、海賊版がアップロードされた時点で著作権利者に損害賠償が入るという制度を導入するということに目を向けるのも良いでしょう。

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